2008年9月27日土曜日

ACCORD試験: 糖尿病に対する強化療法は死亡率を増大させる

スタディ
ACCORD(The Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes Study Group)スタディ

デザイン
RCT
病気:糖尿病 10,251人(平均62.2歳、HbA1c median 8.1%、女性 38%、心血管イベントの既往 35%)
介入:強化療法(目標A1c 6.0%以下),標準療法(目標A1c 7.0-7.9%)
一次アウトカム:非致死的MI、非致死的脳卒中、心血管死
期間:mean 3.5年(interim analysisで中止)

結果
HbA1c:6.4%, 7.5% (1年の時点)
一次アウトカム:6.9%, 7.2%(HR 0.90, 95%CI 0.78-1.04, P=0.16)
死亡:5.0%, 4.0%(HR 1.22, 95%CI 1.01-1.46, P=0.04)
心血管死:2.6%, 1.8% (HR 1.35, 95%CI 1.04-1.76, P=0.02)
非致死的MI:3.6, 4.6% (HR 0.76, 95%CI 0.62-0.92, P=0.004)
医療処置が必要な低血糖:10.5%, 3.5% (P<0.001)
心不全:3.0%,2.4% (P=0.10)
体重増加>10kg:27.8%, 14.1% (P<0.001)
血圧:126.4±16.7/66.9±10.5, 127.4±17.2/67.7±10.6 (P=0.002 for sBP, <0.001 for dBP)
LDL:90.8±33.5, 90.6±34.0 (P=0.74)

追記
総死亡の差はCoxモデルの観点から1,2,3年の各時点で安定した差であるようだ。HRから見ると総死亡の差はほぼ心血管死によるものと思われるが、非致死的MIは強化療法群のほうが少ない。これは矛盾した結果である。またLDLには両群有意差がなく、血圧は標準療法群が高いにもかかわらずその違いを吸収して強化療法群が死亡リスクが高いという結果である。

使用された薬剤は、メルビン94.7 vs 86.9%、アマリール 78.2 vs 67.6%、repaglinide 50.2 vs 17.7%、rosiglitazone 91.2 vs 57.5%、グルコバイ 23.2 vs 5.1%、exenatide 12.1 vs 4.0%、インスリン 77.3 vs 55.4%。すでに明らかに心血管イベントとの関係が証明されているrosiglitazoneに明確な群間の差がある。強化療法群の91.2%が内服しているので層別化も困難であろう。この心血管死の多さがrosiglitazoneの服用の差によるものである可能性は否定できない。rosiglitazoneの心血管死のRRは過去の検討から1.4-1.5程度と推定される。強化療法群の90%と標準療法の60%がrosiglitazoneを内服し、心血管死の頻度の差がこの因子だけに由来すると仮定すると、強化療法群の心血管死のRRは1.1と推定できる。これは本研究の心血管死のHRの95%信頼区間に入っていて、rosiglitazoneによる差であることを否定できる材料はないのではないだろうか。過去の検討と同様、死亡率の差がrosiglitazoneによる差だとして、それは心不全の副作用に由来するものではない。

リファレンス NEJM 2008;358:2545-2559.

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